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伊勢志摩サミットの余韻冷めやらずなのかまだニュースはその流れの物が多いですね。
政の世界は奇々怪々混沌としていますが、人を欺けない正直なモノづくりの世界は良いな~と 心から思います。美卯オーナーです。 米国のバラク・オバマ大統領の広島訪問で注目された広島平和記念公園ですが ここを設計した建築家・丹下健三について改めて注目しています。 私が物心ついたころは丹下建築の全盛の時代でちょっと特徴のある公共建築物は ほとんど氏の設計だったようです。 特に印象深いのは大阪万博の太陽の塔を中心としたお祭り広場の設計です。 しかし無知な自分はその事を知りませんでしたし、コンクリートという素材があまり好き ではなかったため学ぼうともしませんでした。 自分には全く縁がない建築家・丹下健三氏でしたが、その作品と意外な 場所で出会います、それも地元で・・・それが、墨会館でした。 墨会館は旧・尾西市小信中島にあり、合併して一宮市になりました。 会館は1957年(昭和32)8月に竣工した丹下氏の初期の代表作の一つ。 日本全国の地方自治体庁舎のモデルとなった香川県庁舎などと同じ流れの中の 建築であり国指定の登録文化財です。 建てられた当時は繊維会社の本社として使われ、事務棟と玄関車寄せと中庭を 挟む形でレセプションなど行える集会棟が配置されています。 私は写真教室の撮影会として会館の見学をしたのですが、中に入って かなり驚きました。基本はコンクリートで作られていながら日本の木造伝統建築の 雰囲気を意識したものだったからです。 外観こそは当時は珍しいコンクリートの打ちっぱなしでしたが、内装は木目模様が はっきりと分かるコンクリート梁、室内天井のコンクリートと木による混合仕上げ。 丹下健三は日本の建築をコンクリートという近代技術で表現しようとしていたことが 理解できました。 西欧の近代建築技術に追いつき追い越せの時代の中で丹下氏が先端の技術を 身に着けながらもその中に日本の伝統と精神を織り込もうとしたそんな姿が 墨会館には刻まれているようです。 広島平和記念公園を設計するにあたっても丹下氏は日本人として、また戦火の中、 家族を失った遺族としての想いを祈りとして、平和の原点、出発点として作り上げて いったのでしょう。 健全な精神の導きによって作られる被造物こそが後世に伝えられる価値のあるモノ になるのだなと、広島平和記念公園の映像を見ながら思いました。 墨会館は現在では小信中島公民館として活用、公開されていますが、なんとも贅沢な話です。 簡素でありながら素敵な空間なので(特に集会室)もっと有効に活用出来たらいいな・・・と思っています。 写真:墨会館(現小信中島公民館)
by miu138
| 2016-05-29 17:05
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