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季節の変わり目、気圧の変化が著しいのか浅い眠りが続いている美卯オーナーです。
今年の民藝夏期学校は長野県佐久市と愛知県豊田市の2か所で開催されました。 佐久においては民藝の本質を学び、豊田では民藝の現状とこれからを考える場となりました。 しばらく、つれづれに豊田会場での学びを私なりに少しまとめていきたいと思います。 まず豊田会場で成るほどと興味深かったのは、 “民藝という概念を柳宗悦が見出した時を境にモノづくりの世界をそれ以前と後に分けて考えなくてはならない”という事。さて、それはどういう事でしょうか。 柳宗悦は名もなき職人たちが不断の努力を重ね、誰にも省みられることなく日々大量生産していた日用品に、 無事の美、自然さの美、健康な美、無我の美、単純の美、親しさの美、自由さの美 を見出しそれに『民藝』という造語を当て嵌めました。 いわば名前のないものに名前を与えたわけです。 よく民藝では作家を認めているかそうではないかの議論があるようですが、柳が民芸の美を見出す以前は民芸の中に作家は存在しません。 しかし柳が民芸運動を始めて以降は民芸の美に沿って造られたものであれば個人作家であっても民芸品として認められました。 東京の日本民芸館は民芸の美の基準を展示する場として設立されましたが、民藝“作家”の作品も多く収蔵されています。 日本民芸館の村上豊隆氏によると民藝は民衆“的”工芸の略であって民衆“の”工芸ではではなく、また驚くことによく言われる『用の美』=民藝という表現は柳自身は使っていないといいます。 用の美は民芸の一要素に過ぎず、柳の時代から大きく変化した現代にあってこれからの民芸を考える上ではもっと弾力的に考えてもいいのではないかとのことでした。 夏期学校にて、参加者それぞれが、柳宗悦の人生のどこにスポットを当てるかによってテーマや問題意識が違うことを知りましたが、さらにまた世代によっても考え方に差があるように感じます。 (写真:日本民芸館)
by miu138
| 2016-09-12 16:22
| 民藝つれづれ
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